中堅企業での ERP 導入プロジェクト 4/4

組織改革(KPIの設定まで)と計画業務の整備を実施しながら、並行してERPを導入することになります。ただ、ミドルサイズの企業では、其の企業の体力(要員アサイン)によりますから、一概には言えませんが、私は1年以上導入に時間が掛かっては意味が無いと考えていますから、ERP導入のためには、多少無理をして頂かなければなりません。

さて、ERP導入ですが、既に方法論が散乱していますからいまさら詳細を記述することは避けますが、ただ、ミドルサイズの企業におけるERPの導入は、下記のタスクを本格的な導入を開始する前に実施する必要があります。

  1. ERPのマスターデータの構造説明と現行システムのマスターデータ調査
  2. プロジェクト組織の早期構築とトップマネージメントによるプロジェクト推進の社内告知
  3. スコープの確定:業務領域と業務ロケーション、プロジェクトロケーション、システム領域、モジュールとバージョン、周辺システム

いかにも当たり前のような事項ですが、ミドルサイズの企業においては上記をKick-Offの前に実施することが特に重要です。特にスコープの決定は、Kick-Off後に実施しているケースが多いと思いますが、それではミドルサイズの企業では命取りになることがあります。つまり、プロジェクトがいざスタートすると業務改革が進まず、スコープがどんどんとずれていき、最終的にはまったく期待されないものになってしまう可能性が高いということがあります。